新標準高級日語第十課:資源

會話

新標準高級日語第十課:資源

  水を大切に!

上海、森家では緑が仕事で遅くなったため。健太郎と息子2人で食事を済ませる。珍しく食事の後片づけをする健太郎を徹平が手伝う。

健太郎:じゃあ、お父さんが洗うから、徹平は、皿拭いてくれるか。

徹平:はーい。

(健太郎が鍋に殘った油を排水溝に流そうとすると…)

徹平:あっ!お父さん、だめだよ!

健太郎:えっ?何がだめなんだよ。

徹平:知らないの?油は流しに捨てちゃいけないんだよ。

健太郎:いや、でも、これぐらい…。

徹平:油を排水溝に流すと、排水管が詰まっちゃうんだよ。油とか食べ殘しは、ちゃんと拭いてから洗わなきゃ。

健太郎:へえ、そうなの?

徹平:ほら、お父さん、これで拭いてよ。

(キッチンペーパーを渡す)

健太郎:(拭きながら)あれぐらいだったら大丈夫だと思ったんだけどなあ。

徹平:油が川とか海とかに流れ込んだら、大変なんだよ。魚が住めなくなっちゃうんだから。「このぐらいなら大丈夫」っていうのがいちばんよくないんだよ。

健太郎:おまえ、よく知ってるなあ。

徹平:學校で習ったんだ。常識だよ、常識。

(夜、健太郎と緑が寢る準備をしている)

健太郎:なあ、油って流しに捨てちゃいけないんだって、知ってた?

緑:えっ?何言ってるの、急に?

健太郎:なあ、知ってた?

緑:當たり前じゃない。ねえ、もしかして知らなかったの?

健太郎:うん。実はさっき徹平にしかられちゃったんだよ。

緑:そうなの?困ったお父さんねえ。

 新出語彙1

はいすいこう(排水溝) [名] 下水道、下水溝

ながし(流し) [名] 洗碗池,水池子

はいすいかん(排水管) [名] 排水管

たべのこし(食べ殘し) [名] 吃剩的食物

キッチンペーパー [名] 廚用餐巾紙

 課文

物に姿を変えた水

日本は水量が多く、従來から水資源に恵まれた國であると考えられてきた。現在でも、多くの人は、水は水道の蛇口をひねれば際限なく出でくるものだと考えている。日本人がこのような環境の中で生活してきたため、日本語には、「湯水のように使う」「水に流す」といった、水が豊富にあることを前提とした慣用句が多い。

その水資源の豊かな國が、年間400億t(1t=1,000Q)あまりの水を海外から輸入しているといったら驚くだろうか。というのも、わたしたちの身の回りにある物、食べ物はもとより、紙、服に至るまで、何を生産するにも水が使われているのだ(図)。例えば、グラス1杯の牛乳を作るには200Q、Tシャツ1枚を作るには2,700Qもの水が必要だという。牛乳の場合は主に牛が食べる牧草を育てるために、Tシャツの場合は主に原料となる綿花を栽培するために、これだけの水が消費されている。このような目で改めて周りを見てみると、わたしたちの生活がいかに多量の水に支えられているかが分かるだろう。

さまざまな産業の中でも、最も水を必要とするのは農業である。先に述べた400億tの水はすべて、食料を生産するために使われる。日本は食料自給率が40%程度と低く、日本の食卓は海外からの輸入に支えられているのが現狀だ。そして、輸入している食料を生産するために海外で使われる水の量は、合計すれば400億tを超えるという計算になる。もちろん実際の水を輸入しているわけではないが、食料の輸入を通じて間接的.にその生産に使われた水を輸入していることになるのだ。

仮に、レストランでハンバーガーを1個とコーヒーを1杯頼んだとしよう。そのハンバーガーを作るには、牛肉80gに1,240Q、パン45gに6OQ、合計1,300Qの水が必要となる。コーヒーを1杯作るには140Qの水が必要なので、たった1回食事をするだけで合計1,440Q、つまり2Q入りのペットボトルで720本分もの水を間接的に消費することになる。

世界の人口は、2025年には80億人に達すると予測されている。増え続ける世界人口を養うには食料の確保が大きな課題だ。そして、食料の生産には、水資源が不可欠である。1900年から2000年までの1世紀で、世界の人口は3倍に増えたが、水の使用量は6倍となった。人口の増加、工業化、生活の物質的な向上などによって、世界の水需要は拡大し続けている。國連の見通しによれば、2020年までに水の消費量は、

2009年の1.4倍にもなるとのことである。水の危機が世界的な食料危機に直結しているといわれる所以だ。「水の惑星」といわれる地球だが、海水や北極、南極、氷河の氷を除くと、地球上の水のうち、わたしたちが普段容易に使うことができる淡水は0.01%程度とされている。増え続ける人類が食料を確保するためには、水資源の保護が急務である。

しかし、一方で世界中の地下水や水源が汚染され続けているという現実がある。主な原因は、生活排水と工業廃水である。汚れた水をそのまま川に流した場合、魚が住める水質になるまで薄めるには膨大な量の水が必要になる。例えば、料理に使った油大さじ1杯を川に流すと、魚が住める水質にまで薄めるために、5,040Q、すなわち2Q入りのペットボトルで2,520本分の水が必要になる。浄化槽や下水処理場の整備はもちろん、わたしたち1人1人が食器洗いや洗濯の排水に気を配ることで、水資源への負荷は大幅に軽減される。

汚染された水は、資源としては存在しないのと同じである。しかし、石炭や石油などの化石燃料資源とは異なり、水は上手に使えば持続的に利用が可能な、循環する資源でもある。節水は言うに及ばず、排水への配慮、そして食べ殘しや食品廃棄をしないことが、世界の水の保護につながっていくということを忘れてはならない。

 新出語彙2

みずしげん(水資源) [名] 水資源

めぐまれる(恵まれる) [動2自] 富有,賦予

じゃぐち(蛇口) [名] 水龍頭

ひねる [動1他] 扭轉、擰、扭;費盡心機

さいげん(際限) [名] 止境、盡頭

ゆみず(湯水) [名] 開水和水

ぜんてい(前提) [名] 前提

かんようく(慣用句) [名] 慣用句、慣用語

というのも [連] 這是因爲

みのまわり(身の回り) [名] 日常生活;身邊衣物

ず(図) [名] 圖表、圖、圖案

ぼくそう(牧草) [名] 牧草

めんか(綿花) [名] 棉花

かんせつてき(間接的) [形2] 直接的

かりに(仮に) [副] 假設、假如

ふかけつ(不可欠) [名·形2] 沒有、不可或缺

ぶっしつてき(物質的) [形2] 物質上(的)

じゅよう(需要) [名] 需求、需要

みとおし(見通し) [名] 預測、預想、估計

ちょっけつする(直結~)[名·サ變自他] 直接關係到

ゆえん(所以) [名] 原因,緣由

ひょうが(氷河) [名] 冰川,冰河

のぞく(除く) [動1他] 除去,去除

ようい(容易) [形2] 容易

たんすい(淡水) [名] 淡水

きゅうむ(急務) [名] 當務之急,緊急事務

ちかすい(地下水) [名] 地下水

せいかつはいすい(生活排水) [名] 生活污水

こうぎょうはいすい(工業廃水) [名] 工業廢水

はいすい(廃水) [名] 廢水,污水

ぽうだい(膨大) [形2] 巨大,巨量,龐大

すなわち [連] 即,也就是說

じょうかそう(浄化槽) [名] 淨化池

げすい(下水) [名] 污水,髒水;下水道

しょっきあらい(食器洗い) [名] 洗刷餐具

はいすい(排水) [名·サ變自他] 排出的污水;排水

くばる(配る) [動1他] 多方注意

ふか(負荷) [名] 負荷、負載

かせきねんりょう(化石燃料) [名] 化石燃料

じぞくてき(持続的) [形2] 持續的

せっすい(節水) [名·サ變自他] 節水,節約用水

はいき(廃棄) [名·サ變他] 廢棄

ひんもく(品目) [名] 物品、品目、品種

オレンジ [名] 橘子

トウモロコシ [名] 玉米

おおむぎ(大麥) [名] 大麥

だいず(大豆) [名] 大豆、黃豆

せいまい(精米)[名·サ變自] 精米

やぎにく(山羊肉) [名] 山羊肉

にちようひん(日用品) [名] 日用品

のうちくざんぶつ(農畜産物) [名] 衣畜產品

ちゃば(茶葉) [名] 茶葉

いりまめ(煎り豆) [名] 熟咖啡豆

サトウキビ [名] 甘蔗

へいきんち(平均値) [名] 平均值

ゆみずのようにつかう(湯水のように使う) 揮金如土

みずにながす(水に流す) 既往不咎

きをくばる(気を配る) 注意、留意

~t ~噸

~入り(いり) ~裝

~場(じょう) ~場

~別(べつ) ~類別