新標準高級日語第二課:習慣

 會話

新標準高級日語第二課:習慣

電話——「友達だから」

上海にいる森緑と東京にいる佐藤秀麗が電話で話している。緑は上海に來て2年、定期的に秀麗と連絡を取り合っている。緑は中國人と付き合っていて驚いたことを秀麗に相談している。

緑:そう言えば、この間、中國人の友達から突然電話がかかってきてね。

秀麗:うん。

緑:旅行に行く間、飼ってる犬を預かってほしいって言われたの。

秀麗:へえ。犬。

緑:それで、わたし、2、3日だと思って、いいよって言ったんだけど。それがねえ。

秀麗:どうしたの?

緑:預けに來た時、1か月預かってほしいって言うの!びっくりしちゃった。

秀麗:で、1か月預かったんだ。

緑:というか、今もまだいるのよ。徹平と瑛士は大喜びだけどね。

秀麗:そうなの。

緑:でも、えさとか用意してってくれるのかなって思ってたのに、來たのは犬だけで、これもまたびっくり。

秀麗:日本の感覚だとそうかもしれないね。でも、中國人は友達だったらとことん助け合うのが當たり前だからなあ。

緑:うん。秀麗、昔そんな話してたよね。

秀麗:わたしは逆に、日本人の友達が何でわたしを頼ってくれないのか、悩んだんだよね。寂しいなあって。

緑:そうかあ。頭では分かってるんだけどね。やっぱりなかなか慣れなくて。

(話の最後に)

秀麗:そう言えば、年末は帰國するの?

緑:うん。それがね、今年は休みが取れなくて。上海で年越しすることになりそう。

秀麗:忙しいんだね。

緑:そうなの…。でも、來年の冬はゆっくり帰るつもりなの。そしたら、前から言ってた旅行、どう?

秀麗:いいね。ぜひ。

新出語葉1

ていきてき(定期的') [形2] 定期地

とことん [副] 徹底;最後、到底

としこしする (年越し) [名·サ變自] 過年

そしたら [連] 如果那樣、要是那樣的話

というか 豈止是那樣

ぎゃくに (逆に) 反倒、反過來

 課文

支社便り

支社便り No.11

今回の支社便りは、北京支社の織田秀忠さんと徳川信長さんです。

「割り勘にしよう」は日本的?

北京支社 総務部

織田秀忠

北京に赴任して2か月になります。仕事にもだいぶ慣れてきました。支社の皆さんもよくしてくれて、とても充実した毎日を過ごしています。

この間、仕事の後、張さんという同僚が、わたしやほかの同僚を食事に誘ってくれました。彼は若いけど、仕事ができて、わたしは何かと頼りにしています。連れていってくれたのは、彼のなじみの浙江料理の店でした。ビールや紹興酒も頼んで、けっこう飲み食いしたような気がします。

2時間ほどしてお聞きになりましたが、會計の時、わたしは、せめて自分の分ぐらいは払うつもりでいたので、「いくら」と聞きました。ところが、張さんは「ここは自分が払う」と言って取り合ってくれません。張さんは年下だしほかの同僚もいっしょだったし、「割り勘にしよう」と提案したところ、張さんは、「誘ったのはわたしだから、支払うのもわたしだ」と言うのです。きっと張さんにしてみたら、面子をつぶされることになるのでしょう。恥をかかせるわけにもいかないので、何か申し訳ない気もしたけど、やむをえずごちそうになってしまいました。

でも、これは中國では當たり前で、張さんに限ったことではないようなのです。ということは、日本にいるつもりで、気軽に毎日誘ったら大変なことになってしまいます。とにかく、今度は、わたしが張さんたちを誘って、お返しをしたいと思っています。

5月13日 北京支社のオフィスにて

質問は好意の証し

北京支社 営業部

徳川信長

先日、大連で商談があり、中國人の同僚といっしょに出張してきました。中國に來て初めての商談でした。大連はなかなかいい所です。靜かで落ち着いていて、なんだかヨーロッパの風情を感じました。皆さんにもおすすめの場所です。

取り引き先との商談の時のことです。取り引き先の人とは初対面でしたが、だいぶ年配で、いかにもやり手という感じでした。商談が終わって雑談をしていると、先方がぼくのことをいろいろと聞いてきました。生年月日、出身地、大學、親や兄弟のことはもちろん、どこに住んでいるのかだの、自家用車は持っているのかだの、個人情報と思われることまで、次々に質問してきます。日本ではあまりないことなので、ちょっと違和感を持ちました。だから、はっきり答えないで、適當にお茶を濁していました。そうしたら、先方は急によそよそしくなってしまったのです。

後日、同僚に「個人のプライバシーに関わるようなことをいちいちまじめに答えなければならないのか」と聞いたところ、中國でも、特に初対面の相手に、プライパシーに関わるようなことは聞かない傾向にあるが、たまには聞く人もいるそうで、このようなことは、そんなに失禮には當たらないのだと言われました。相手のことをよく知ろうとしているのだから、むしろ、好意を持っている証しなのだそうです。

日本人でも中國人でも、私生活を根掘り葉掘り聞かれるのは、あまり気持ちのいいものではないようです。ただ、相手のことを知ろうという好意の表れだということは理解できましたので、その気持ちは受け入れたいと思います。

6月5日 王府井のカフェにて

新出語彙2

たより (便り) [名] 通訊、音信

にほんてき (日本的) [形2] 日本的

おだひでただ (織田秀忠) [專] 織田秀忠

なにかと (何かと) [副] 選個那個地、各方面

なじみ [名] 熟悉的

のみくいする (飲み食い~) [名·サ變他] 吃喝

せめて [副] 至少、哪怕是……(也好)

とりあう (取り合う) [動1自他] 理睬、搭理、理會;爭奪、爭取

としした (年下) [名] 年幼、年歲較小

つぶす [動1他] 弄碎、研碎、壓碎、弄壞

はじ (恥) [名] 恥辱、羞恥

やむをえず [副] 不得已

おかえし (お返し) [名] 還禮、答謝;答謝禮品

オフィス [名] 辦公室

あかし (証し) [名] 證明、證據

とくがわのぶなが (徳川信長) [專] 德川信長

だいれん (大連) [專] 大連

しょうだん (商談) [名] 商談、貿易談判

ふぜい (風情) [名] 風情

やりて (やり手) [名] 能手、干將;接受工作的人

ざつだん (雑談) [名·サ變自] 閒談,閒聊

せんぽう (先方) [名] 對方、對手

しゅっしんち (出身地) [名] 出生地

じかようしゃ (自家用車) [名] 私家車

こじんじょうほう (個人情報) [名] 個人信息

いわかん (違和感) [名] 合不來;不相容的感覺

プライバシー [名] 個人隠私、私生活

いちいち [副] 逐個、一一

しせいかつ (私生活) [名] 私生活

ねほりはほり (根掘り葉掘り) [副] 刨根兒問底兒

ワンフーチン (王府井) [專] 王府井

カフェ [名] 咖啡館

よくしてくれる 善待我、對我很好

ということは 就是説

たよりにする (頼りにする) 以……爲依靠

めんつをつぶす (面子をつぶす) 丟面子

はじをかく (恥をかく) 蒙羞

おちゃをにごす (お茶を濁す) 含糊其辭,不明確回答

けいこうにある (傾向にある) 傾向於